小説

□ヘアピン
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「有り余ってるならさぁ…もっと他のもの買ってこれない?」

「なんでだよ、これ超使えるじゃん!実用性あるし!」

「そんなに実用性強調するならアキラが使えばいいだろ…あげるから」

「俺が使ったらプレゼントした意味ねーじゃんかよ!」

「もう煩いなぁ…本当に嫌になるよなぁ…」




こんな会話をしてもう何分経ったんだろう…



だんだん痴話喧嘩みたいになってきてるし…
それと話が先に進まなくてイライラする…


「つーか何でそんなに嫌がるんだよ?」

「だからさ…これって小さい子がつけるようなヤツだから…ってさっきから言ってるじゃん…しかもこのデザインはないだろ…」

「え?深司、ウサギ嫌いだったか?」

「そういう意味じゃないんだけど…分かってるのかなぁ…分かってないよね…アキラだし…」

「嫌いじゃねーならいいだろ?」

「!?ちょっと、アキラ…っ…」



アキラは俺の手に持っている袋を奪い取り、中の物を取り出した。


「深司に似合いそうだって思って買ったんだぜ?」

「ちょっ…勝手に付けないでくんない…っ」


勝手に俺の髪にヘアピンを付けようとするアキラの手を阻止しようとしたけど、それは簡単に止められた。


「ほら、やっぱり似合うって♪」

「っ〜……」


……屈辱的だ。
てゆうか何の罰ゲーム?
何でこんな物で羞恥プレイ?


「……本当っ、最悪……」


いつもそうだ。


アキラの言うこと、すること考えることはよくわからない。
小学校からの長い付き合いだけど、未だにアキラの考えは理解出来ない。










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