小説
□ヘアピン
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「深司、これやるよ!」
「…何これ。てゆうか、俺まだ誕生日来てないんだけど…誕生日プレゼントのつもりなのかなぁ…」
「うっせーな。ぼやいてないでとにかく開けてみろって」
「はいはい、わかったよ………」
「どうだ?」
「いや…どうだって言われてもさぁ…」
……何これ。
いや、見れば分かるけど。
何でアキラはこんなのをくれたんだろう。
どんな顔で買ったんだろう。とか、
疑問はたくさんあるけどそれ以前に。
「…ばかにしてる?」
「は?してねーよ」
「いや、してるよね…本当アキラって嘘つくの下手だよね…」
「してねーってば」
…じゃあそういうことにしておくよ。
たとえアキラが目の前で、目をキモいぐらい輝かせて俺を見てるとしても。
一体何を期待してるか分からないけど…その顔キモいんだよ…
言っていいのかなぁ…
まぁかわいそうだから言わないでおこう。
あー俺って優しいよな…
「…大体これ…幼稚園児が付けるようなヤツだろ…こんなのを俺に付けろって言うの?…冗談は顔だけにして欲しいよなぁ…」
「なんだよ!最後のひでー!」
え?……そこ…?
相変わらず何かずれてるな…
「何でよりによってさぁこれにしたわけ?」
「えー気に入らねぇのかよ?せっかく俺が厳選して厳選して買ったのに」
何回厳選してんだよ…
というより厳選した結果これかよ…
「アキラはセンスが著しく欠けてるよね…」
「んなことねーよ!むしろ有り余ってるっつーの」
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