小説
□やってみよう
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俺は、次のことを実行するために、忍足さんが何をしているのか部室の窓から見た。
忍足さんは準レギュラーの奴らに指導していた。
忍足さんでも指導できるんだな…(失礼やで!日吉!)
よし、じゃあ忍足さんはここには来ないな。
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俺は自分のラケットバッグからラケットを一本出し、ある人のロッカーから水色の帽子を取り出した。
ある人、とは誰なのか、言わなくてもわかるだろう。
帽子ときたら宍戸さんだ。
氷帝には帽子キャラが宍戸さんだけだからな!
俺はその帽子を宍戸さんみたく、つばがある方を後ろにして被る。
そして、さっき壊してしまった全身鏡の代わりにもう一つの全身鏡を前に、宍戸さんの真似をしてみた(もう一つあるのか)
ラケットを人差し指の上でバランスよく立て、逆の手を短パンのポッケに突っ込み決め台詞を言ってみる。
「激ダサだn「んでよー、侑士のやつ俺の納豆巻き食いやがったんだ!」っ!?」
部室の外から大きな声が聞こえた。
内容的に向日さんか・・・。
でも、誰かと話ているようだからもう一人いる!!
「へぇ〜E〜なぁ忍足は〜」
「何言ってんだ!全然よくねぇよ!」
もう一人はジローさん!
相手は二人…。
殺れるか…??(殺るな)
向日さんは絶対殺らなきゃならねぇ。
なぜなら、俺の台詞をあと一文字だったのに言わせてくれなかったからだ。
声の距離からすると、部室まであと3mといったところか(そこまでわかんのかよ)
これは、先に攻撃をしかけるしかないようだな!
向日さんもジローさんもそう手こずる相手ではないだろう。
よし!そろそろ来るな!
俺は部室を飛び出した。
「うおっ!!」
俺が部室から出たときにちょうど向日さんがドアを開けようとしていて、思いっきりドアに当たって倒れた。
「ガックン、大丈夫〜??」
眠そうに向日さんを心配するジローさん。
「っ……」
よしっ!これで向日さんは潰した。
あとはジローさんだけ!
「あれ〜?ひよC〜??なんで宍戸のコスプレなんてしてんの〜?」
少し覚醒したみたいで笑顔で聞いてくるジローさん。
はっ!しまった!!宍戸さんの格好をしたままでてきてしまった!!
しかも、有り得ないほどのバランス感覚でラケットも地面に落ちてない!
「ひよC〜??」
これは…殺るしかない!!
「すみません、ジローさん」
俺はジローさんの後ろをとり、気絶させた。
よし、これで大丈夫だろう。
ちなみに、攻撃する時でも俺はラケットを落としはしない!
「あ?何やってんだ?」
「あー!!それ!宍戸さんの帽子じゃないですかぁ!!」
声で分かった。
いかにも不機嫌そうな声…
それとは逆に"家政婦は見た"のような声…←
氷帝最強ラブルス!!
つか、本人来ちまった…!!
「テメェ…何者だ?」
「…へ?」
自分でもマヌケな声が出たと思った。
俺だって気付いてねぇのか?
「宍戸さんの格好をしていいのは宍戸さんだけなんです!今すぐにその帽子を返してください。さもなくば、俺のスカッドサーブを顔面に一発入れちゃいますよ?」
あー、それは嫌だな。
そもそも、お前のコントロールで当たるのか?
つか、最初のほうの意味がわからん。
とりあえず、この二人に俺の正体はバレてねぇ!(なぜかは知らんが)
ここは作戦Nでいこう!←
「何言ってんだ?俺は宍戸だろ?」
「……あ゛?」
「えぇーー!!宍戸さんが二人!?でもっ!!」
「バカか?長太郎!俺とお前はずっと一緒にいたじゃねぇか!」
なんかさりげなく二人のラブラブぶりをアピールしてやがる!
とりあえず逃げるか!
「俺、宍戸さんが二人なんて…幸せモンですね!」
「だーかーら!あっちは偽者に決まってんだろ!?」
「で、でも!!…ってあれ?もう一人の宍戸さんは?」
「あ゛!?逃げやがったのかアイツ!!見つけたらただじゃおかねぇ!」
俺はとりあえず、その場から逃げ、トイレへと行った。
帽子をとり、どこかで拾ったフリをして宍戸さんに返そう。
ラケットも普通に持ち替えた。
「あれ?宍戸さんに鳳。どうかしたんですか?」
「いやー、さっきもう一人の宍戸さんがねー?」
「だから、アレは偽者だっつってんだろーが!」
宍戸さんは自分よりもデカイ鳳に背伸びをして拳骨をお見舞いする。
「痛いですよぅ、宍戸さぁ〜ん…」
若干涙目の鳳。
俺はそこで宍戸さんの帽子を差し出す。
「あの、これ宍戸さんのですよね?」
「ん?あぁ!!そうだ!コレどうしたんだ!?」
「ここに来る途中でぶつかってきたヤツが落としたんですよ」
「そうか!サンキューな!日吉!」
「いいえ」
宍戸さんがバカでよかった←
その後、起きたジローさんは記憶がすっとんでたみたいだったから助かった。
結局、跡部さんと宍戸さんの真似しか出来なかった。
end.
(あれ?日吉、そういえばその絆創膏どうしたの?)(…なんでもない)
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