小説

□ライバル…ただそれだけ
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あの暑かった全国大会も終わり、最近になって導入された秋休みというものがやってきた。



秋休みと言っても、春休みよりも短い休みだからただの休日って感じなんだけど。









三年の先輩たちは引退した。

それでもしょっちゅう部活にくるけど…。



特に不二先輩と英二先輩。



不二先輩はともかく、英二先輩は受験大丈夫なんだろうか…




まぁ、俺には関係ないことだけど。









俺は全国大会でアイツと出会った。



お互い、東のルーキー、西のルーキーと呼ばれていて、
親近感がなんとなく湧いた。


あっちもそうだったみたいで、普通に話しかけられた。



それから、試合をして…

でもあれは一球勝負だからちゃんと決着がついたわけじゃないけど。






「はぁ…」




なぜかため息が出た。


どうして…?







「会いたい…かも……」





ふと、思ったことが口に出てしまった。



すると、窓に何かが当たった音がした。



俺は、親父が当てているのかと思って普通に窓を開けた。



下を見るが親父はどこにもいない。



それもそうだ。


よくよく考えれば今はもうは夕食を取ったばかりじゃないか。


普段は夕食の前にテニスをするから、日常では考えられないことだ。



しばらく下を見て考えていると、横から声がした。



「コシマエ!どこ見とんねん!!」


「えっ……??」




横から聞こえた声は、あの西のルーキー。


遠山金太郎だった。







「なんでいんの?」


やはり、これが一番初めに抱く疑問。


「なんでって、コシマエに会いたかったからに決まっとるやん!」


「ふーん、じゃ。」



俺は窓を閉めようとした。


「ちょっ!!待ってや!!中に入れてーな!」


仕方ないから中に入れてやった。








それにしても…


会いたいって思っただけでなんですぐに会えるんだろうか。



「へー!!コシマエの部屋ってベッドがあるんやな!」

「普通じゃないの?」

「何言っとんねん!ワイは布団敷いて寝てんねんで?」



まぁ、遠山にはベッドは似合わないだろう。


ベッドに似合うか似合わないかなんてあるのか知らないが。




「ねぇ、遠山も秋休みなの?」

「せやで!」



大阪にもあるんだ。






「なぁ、コシマエ」

「なn!?」


自分の唇に暖かい感触があった。


一瞬何をされたのか、

何があったのか、




全く理解できなかった。










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