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あたしがブンちゃんに告白してから、もう大分経った。



あれからも、多少話しはするけど、以前と比べて会話は少なかった。

でも、ブンちゃんと話さない分、あたしは仁王とよく話すようになった。



赤也は相変わらずで、昼休みになるとしょっちゅう遊びに来る。


前と変わらない日々を過ごしているはずなのに……こんなにつまらなかったっけ…?






「そういえば…」

「なに?」


仁王がなにか思い出したように言う。


「そろそろ、修学旅行じゃのぅ」

「え!?もうそんな時期!?」

「てことはぁ…先輩達しばらく間いないってことッスか!!」

「まぁ、そういうことになるよね」

「よっしゃー!!」



いやいや、気持ちはわかるけど喜びすぎ(笑)

そんな赤也にブンちゃんが教科書の角で頭を殴る。


「いったぁー!!何すんッスか!丸井先輩!」

「お前が調子に乗りすぎだから叩いてやったんだよ」

「酷いッスよー!!」


赤也ドンマイ。


「で、どこ行くの?」

「確か…京都やったかのぅ」





え…京都!?


去年の三年生は海外に行ってましたけど!?




「はぁ!?京都!?ありえねぇだろぃ!!」


ブン太も同様な反応。


「なんでも、今年はジャンケンに負けたらしい」

「「ジャンケンだったの(かよぃ)!?」」


見事にハモったあたしとブンちゃん。

あのこともあってかなり気まずかった。




お互い、日常を取り戻そうと思っているのか、

前と同じように4人でいる。


なのに…





あたしたちはお互いに目を逸らした。



「先輩たち…らしくないッスね」



赤也の鋭い一言があたしの胸に刺さった。


「んなことねぇよ」

「えー、だっていつもの先輩たちなら"マネすんな!"とか言うじゃないッスかー!」

「ちょっと京都って聞いてテンション下がってんだよぃ」



今思い返してみると、赤也の言うとおりだ。


前のあたしたちなら、すぐに言い合いになるのに…。









自分がわからなくなっていった。














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