short story
□ナツ
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「夏姫(ナツキ)、もうすぐ着くよ!」
リエ先輩の声で目を覚ます。
目を擦りながら前をみると、葉の生い茂った球場が見える。
「…………わぁ……」
夢にまで見た球場。
毎日みんなで頑張って、
今年こそは絶対に行こうねって約束した球場。
バスから降りて、
みんなはその球場を見上げた。
歴代の高校球児の思い出をみてきたその姿は
とても堂々としていた。
「いよいよ来ちゃったよ……」
武者震い、とでもいうのだろうか。
私が試合をするわけではないが、
今までのみんなの努力を思い出すと、本当に嬉しい。