Man of Destiny(番外編)

□プレゼント
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「ふぃ〜、さっぱりしたぞ」



風呂あがり、大きなタオルで頭をがしがし拭きながら悟空が部屋に戻ってきた。

ピッコロの結婚式前夜。
式に出席する皆はブルマの家で1泊することになり
1家族ごとに部屋をあてがわれていた。


部屋の中ではすでに入浴を済ませたチチが鏡の前で髪を透いていた。
いつもはきっちりと纏めている長い黒髪も、
こうして下ろしているだけで不思議と随分若々しく見える。




「おり?チチ、悟飯と悟天はどうしたんだ?」


部屋の中にはチチ1人で、悟飯と悟天の分の布団がなくなっていた。


「悟天はトランクスとミクロンと一緒に寝るんだと。
悟飯はそのお守りだ」



そっか。と呟いた悟空は、ふと思い出したように帯にくくりつけた小さな袋を取り上げた。


「誰もいねぇならちょうどいいや。チチ、渡してぇもんがあるんだ」


「ん?なんだべ?」



チチはブラシを置いて振り返った。

悟空はにこにこしながら手のひらの上でいつも仙豆を入れている布袋をひっくり返す。
大きな手の上に、ころんとひと粒の小さな玉が転がり出た。




「へへっ、これだ」


首を傾げるチチの手に玉を乗せてやると、チチは不思議そうにそれを光にかざして眺めた。


「なんだべ?随分と綺麗な玉だな〜。ピッコロさの持ってきた指輪と似てるけど
色も形も違うみてぇだし・・・」



「これは”護りの聖白石”だ」


悟空はチチの隣にしゃがんで一緒に光に当たる玉を見上げた。

玉は光を吸い込んでキラキラと輝き、半透明の白さの中に何色もの色が交差していた。





「これ、聖白石だか!?」


「ああ。そうだぞ」


悟空は驚くチチの頭をぽんぽんと撫でた。



「なしてこったら所に・・・?」


「へへ、ボックルの姫さんに作ってもらったんだ。
えっと、あらゆる・・・さ・・さい・・?野菜・・・?から護ってくれる・・だったっけか?」



すっかり忘れてしまい何度も首を捻る悟空を見て
チチの顔から苦笑が漏れた。






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