宝石箱2

□戦士達の、とある週末
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―合コン当日―



ビ「で、悟飯くんに質問なんだけど…」


店のテーブルについた男3人を見渡し、ビーデルが悟飯を睨む。



ビ「私は闘いをしようと言った覚えはないわ。」



戦闘服に不機嫌な表情をしたベジータ、胴着にダーバン、マント姿で仏頂面のピッコロ。


こじゃれたスーツを纏い、ニコニコのヤムチャ…



3人が並んで座る風景は、異様としか言いようがない。



飯「やっぱり、まずかった…ですかね…。」



ビ「もう仕方ないけど…

ヤムチャさんはわかるとして、ベジータさんはどうやって呼んだの?」



飯「美味しいご飯が食べれますよって…。」



ビ「じゃ、じゃあピッコロさんは?」



悟「泣き脅しで…

(まさか、〈来てくれないと僕がビーデルさんに殺されるって言った〉なんて言えないし…)」



ビ「…………。

もういいわ。
始めましょう。」



悟飯とビーデルも席につく。



ビ「えっと。
奥から、スク、チェア、イレーザです。

みんな私の学校の友達です。」



ベジ「………。」


ピコ「………。」


ヤム「み、みんなかわいいなぁ。

俺はヤムチャ。
で、横がピッコロ、その向こうがベジータ。
よろしくなっ!」





話す男はヤムチャのみ。


なんとかヤムチャが場を盛り上げ、張り詰めていた空気が和み始めた頃、イレーザが他の2人に話しかけた。



イレ「ベジータさんはどんなお仕事してるんですか?」



ベジ「ふん!

惑星ベジータの王子に容易く話しかけるとは、貴様たいしたタマだな。」


イレ「…王子……。

あ、じゃあピッコロさんは?」



ピコ「大魔王であり、元神でもある。」



イレ「………。


あ…あはは…。
皆さん楽しいお方ですね。」



イレーザは若干引きながら、テーブルの上に手を伸ばした。


その手をベジータがすっと握った。


ベジ「こいつは俺のものだ。」



熱い視線を送られ、イレーザは頬を染める。


イレ「え?」


ベジ「俺のものだ。」


ベジータの握る手に力がこもる。



イレ「そ、そんな…
急に〈俺のものだ〉なんて…。」



ベジ「最初から狙っていたんだ!

誰にも渡さない、とな。」



イレ「や、やだ。
でも私まだそんな心の準備ができてないし…。

そんな…。


でもベジータさん、ちょっと素敵かなぁ〜なんて思ったりして……






って、ねぇ、ちょっと…。」



当のベジータは夢中でスペアリブに食らいついている。



イレ「あ…あの、ベジータ…さん?」


ベジ「この肉は、ふぉれ様が、ぐっぐふっ!
最初から狙ってたんだ。
貴様にはやらん!」


イレ「………。」




飯(まずいなぁ、こういうの…)



2人のやり取りを見ていた悟飯はチラッとビーデルを見る。


案の定、ビーデルは悟飯をキッと睨んでいた。




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