宵の明星
□第五章 出会い
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カイルは驚き、ユキをみやる。するとユキは言葉を続けた。
『カイル皇子は立場上、すぐには動けないでしょう。馬が放されたと言いましたが私には幸い、シンがいます。ですから私が先にあの二人を追いかけます。』
ユキは愛馬であるシンをみた。
「しかし一人では危ないだろう!!」
「そうですよ、ユキ様!!」
「…私がともに参ります。地図は頭に入っておりますから。」
「それなら私たちも!」
レイユやハディ、双子がそこで声をあげた。カイルは考えたがやがてレイユに言った。
「レイユとユキだけで行ってくれ。ハディたちまでいなくなると皇妃にバレる可能性が高いからな。レイユはアスランを使うといい。馬の乗り方はわかるか?」
「はい、大丈夫です。」
「わかりました。」
ハディたちは心配そうな顔をするがカイルの言葉を聞き納得する。
『カイル皇子…』
「ユキ、よろしく頼む。父上に了承をもらい、すぐに追いつくから。」
『はい!』
「行ってらっしゃいませ。どうかご無事で…レイユ、ユキ様のこと頼んだわよ。」
「わかったわ。」
そしてユキとレイユはユーリたちを追って南に向かった。