宵の明星

□第二章 側室
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アリンナへつきおばさんに別れをつげ、結希はユーリたちの居場所を探した。

《やっぱり戦場よね。…あっ、あの高台に行ったら何か解るかも。》

そこで結希は馬の飼育場がある高台に向かった。すると下のほうでカイルたちが戦っているのをみつけた。

《見つけた。あれが確か第3皇子のカイル・ムルシリ。相手に対してなんだか押されぎみじゃない?…っ!?》

そう思って結希はふと辺りを見渡すとユーリが女の人と一緒にカイルを見ていた。
そしてその先にズワがいたのである。

『ユーリ、危ない!!』

「えっ?結希!?」

結希の突然の声に驚いたのもつかの間、どんどんズワが近づいてきている。

「殺して!早くその娘を!」

『そうはさせない…ユーリ、馬よ!!』

「…馬!!」

ユーリはそこにいた黒馬に飛び乗り、案の定崖の下まで降りていってしまった。

「馬、初めて乗る人間に乱暴だよー

ユーリはひたすら逃げまわっている。そのおかげでカシュガ族はユーリが援軍だと勘違いし総崩れ。

「戦場に騎馬だと?確かに戦車よりスピードも遥かに上回るが…このチャンスを逃すな。一気に叩き潰せ!!」
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