CAIN

□06
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 倉庫前に戻ると澪達が地面に寝ているマフィア達を収容車に入れていた。

「おっ、哲史!!」

 スタスタと歩いてくる哲史に気付いた澪が彼の元に近付く。

 それを無視するように哲史は、彼の先にいる亨に目を向ける。

 彼は哲史が自分の所に行っている間に目を覚ましたらしく淳に締め上げられ車の方へ歩いて行っていた。そして、哲史の顔を見ると、ニヤっと笑う。

 それが哲史の中の怒りに触る。
 スタスタと歩いた彼は澪の横をすり抜け亨の前に立つと睨み付ける。

「何が、可笑しい?」

「如月…いや、全君の姿を見ただろうと思って…ね。
 どうだったかい?彼に誘われただろう?君にも見せたかったよ、全の乱れた姿を……ッ」

 勝ち誇ったように笑い嫌味の声音で言う亨を哲史は、許せず顔面に思い切り左ストレートを決めた。

 その衝撃に亨は、ぶっ飛ばされ淳の手から放れた。

「ゲスが!!」

 倒れ、血を吐く亨を見下し哲史は留目に踏みつけようとしたが淳に止められる。

 邪魔をされた哲史は淳を思い切り睨み付ける。その形相は、獅子を思わせるほど恐ろしかった。

 しかし、淳が彼の形相で怯むわけもなく、向こうに行けと顎で指示した。

 それでも哲史は、亨に留目を刺したくてしかたなかったが、澪が肩を叩き首を横に振り制した為、諦めると手下達を収容車に運んだ。

 思い切り殴られた亨は淳に掴まれ収容車へと連れて行かれた。


 
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