《 MK ◆ TK 》
□【パイロットの恋事情】
1ページ/7ページ
飛行機は小さい頃から好きだった。
窓から見える雲や絵の具を溢したような真っ青な空、キャビンアテンダントのお姉さんが凄くやさしかったとか。
特別に招待してくれたコックピットなんて。
最高だった。
そのときに操縦していたパイロットの姿は、田崎少年には。
戦隊ヒーローの赤レンジャーのように、その純粋な瞳には映ったのだろう。
それから少しして彼は苦手な勉強に真剣に取り組み、英会話教室に通い始めた。
そのまま小中と進み、高校は私立。
なんとか航空学を学べる大学に進学し。
優秀とは呼べないが、一定の水準の成績で卒業。
『200分の1』
そんな確率の超難関なパイロットになれたのは。
きっと。
奇跡に違いない。
→