《 MK ◆ TK 》
□信号待ち
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ラジオから流れるラブソングに、敬浩は耳を傾けていた。
学生時代、様々な場所でよく耳にした、この曲は。
今だからこそ。
わかる、その歌詞に。
沁々と胸を打たれてしまう。
それは、それだけ月日と経験を積んできたからだろうか。
ウィンドウを叩く、粉雪。
隣でハンドルを握るのは。
やさしい笑顔をくれる、大好きな人。
テレビ収録の帰り。
ついでにドライブなんて、洒落込んでいる。
いつだって。
傍にいたいと思うのは。
自分だけだって、思いたくない。
『次のリクエストは…』
もしかしたら、積もるかもしれない。
今年初の雪も。
まるで。
ウェディングドレスをまとった花嫁のように。
美しく可憐だ。
If…。
もし、彼が結婚することになったら?
自分は一歩、引き下がれるのか?
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