《 MK ◆ TK 》

□12月の夜空に
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あ。

敬浩の声に、眞木はテレビ画面から視線を動かした。


「満月――…」


いそいそとカーテンを開け、ベランダへと出る敬浩。

それを何となく追いかけながら、くいっと一口ビールを口に含む。


「眞木さん、満月っスよ」

満月か…。
そういえば、ここ久しく夜空を見上げていないな。


「うわ…っ、ここから結構星が見えるんですね!」

子供のような敬浩の笑顔に、眞木もやわらかい気持ちになる。


くくく…っ。


「眞木さ〜んっ」


ベランダから呼ぶ声。
やっぱり、甘えている。


兄貴のつもりは一切ないんだけど。


「…眞木さん…?」


不思議そうに敬浩が戻ってきた。
ぐいっと引っ張ると。


「わっ」


見事、眞木の腕の中。

うらめしそうに、敬浩に睨めつけられた。



「フェイントは無しですよ」



「フェイントをかけたつもりはないけど」



そう言いながらも見上げてくる澄んだ瞳に引き寄せられてしまうのは。


どうしようもないぐらいに、君に恋焦がれているから。



「…敬浩」

「はい」


敬浩の額にかかっている前髪を、眞木の指が掻き上げてやる。
そのまま軽く唇にキスをすると。





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