《 MK ◆ TK 》
□合いカギ
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「コレ」
眞木の角張った手の中から現れた、小さな金属。
「え…と、これは…」
どう見ても、鍵。
なんの変哲もない…て、あれ?
どこかで見たことあるような形状をしているのは、気のせいだろうか。
「カギ」
それはわかってますから。
「俺の部屋の合カギ。いらない?」
「い…い、要りますッ」
思わず飛び付きそうになった敬浩を前に、眞木はまるで待てとばかりにカギを上着のポケットへと隠す。
「交換条件」
こうかんじょうけん…?
一瞬、意味が脳内で同時翻訳にはならなかった。
が。
なにか、とんでもないことをやらされるんじゃないか。
そんな考えに行き着く。
冗談抜きで、ここは眞木大輔の部屋だし。
自分はというと、のこのことついてきてしまったわけだし。
彼は優雅に、食卓テーブルに備え付けられた椅子に座り。
たまたまクッションの上とはいえ、すぐ下はカーペット。
つまり、彼を見上げる体勢ということだ。
「――…とは?」
「まあ…そうだなあ。とりあえず俺の上に乗ってよ」
己の膝を指す、彼。
膝と彼を数回ほど交互に見て。
大人しく…。
いや、少し不服そうに敬浩は眞木の膝の上に跨がった。
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