庭球の部室

□捨て猫と蜜柑 〜1〜
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“僕はいらないんだ”







“誰か助けて”








 雨の中で、音にならない声の限り叫んだ。

へたり込んだ足に雨は容赦ない。






―――痛い。怖いよ、誰か抱きしめて。






 自分の体を抱き寄せた指は、

感覚すらなかった―――……
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