喜怒哀楽 詩置き場
□身体 ―カラダ―
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――今。
どくどくと鼓動している『私の』心臓は、
本当に『私の』心臓だろうか?
――今。
脳からの信号に従って働いている『私の』手は、
本当に『私の』手だろうか?
――今。
鏡の中で、虚ろな目をしている『私の』顔は、
本当に『私の』顔だろうか?
少しだけ、刃で肌を切ってみる。
鈍い痛みと血が、傷口から滴り落ちた。
――痛イ。……生きている。
デモ、私ハ怖イ。
痛みで『生』を実感するうちに、
自分の心臓を刃で抉り取ってしまいそうで。
でも。でも。
自分は生きてい『た』と実感しながら逝くのも、
そんなに悪くないのかもしれない。