番外編
□青空に堕ちる鳥
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外は雲で陰っている。
まったく変わらない世界に、ボクは少しうんざりしていた。
世界は当たり前に毎日毎日同じことを繰り返す。
ボクだってそう。
しかし、現実同じことの繰り返しとは限らない。
上手くいく時もあればいかない時もある。
今のボクは、鬱状態。
生きることが僅かに重たい。
暗い物を見たり聞いたりすると、何故だか高いところに登りたくなる。
飛び降りたら、
どれだけ楽になれるのだろう。
柵を握りながら、上から景色を眺める。
人も建物も何もかもが点の世界。
ごみごみとした世界。
ボクは柵を軽々と通り越し、風を真っ正面から受けた。
意外にも高いところだ。
風がごうごうと音を立て、足はすくんでしまいそうなくらいだ。
結構ボクってビビりなんだ。
この考えが更にボクを追い込む。
ああ、落ちてみたい。
鳥は気持ち良さそうに飛んでいる。
手を離せば、ボク落ちるよね?
鳥みたいに腕を広げてみても、飛べるはずないよね?
じゃあ、飛ぼう。
飛べないのは知っている。
けど、
可能性は0じゃないはずだ。
ボクは手の力を抜いた。
向かい風がボクを襲った。