Gate of Blackness
□Lie-嘘と偽善者-
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Prologue-静寂の鐘-
最近聞かなくなった鐘の音。
おかしいな、そう思いながら鐘を見に行った。
錆びれた鐘の表明を見た僕は、その場に立ち尽くした。
あんなに綺麗だったのに。
この数ヶ月でこんなにも錆びれてしまったというのか。
一体何故…?
鐘の周りに生えていた草花は枯れ、光が鐘にじゅうぶんという程も当たっていない。
空を見上げた。
薄暗い景色が目に映る。
青空までが遠い。
だからなのか、鐘が湿った場所にあるから錆びて…。
いつから日が当たらなくなったんだ。
不思議で仕方ない。
もう一度錆びた鐘を見つめ、鐘を後にした。
枯れた草花の上を歩く。
とても重い足取りで。
何となく、予想はついた。
だけど、なぜか信じれずにいた。
僕の未来は、誰かに決められたレールの上を歩くだけの、つまらないもの。
この鐘を眺めて、ふと思った。
小さな頃からずっと存在していた鐘。
変わり果てた姿は、今の僕みたいだった。