Gate of Blackness

□Connection-偽の繋がり-
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いらっしゃいませ、随分と遅くなりましたね。
「え、そうかな…ごめん」
いえいえ、謝るほどのことではありませんよ、ウィル様。
「ユリスが悩みを聞いてくれるって、本当?」
ええ聞きますよ。
何だかウィル様、今日は静かですね。
前みたいに暴れてもらっても困りますが、にしても…落ち込んでいます?
「うん、まあ…ちょっとね」
お話して下さいますか?
「僕のローズが、最近不定期で出て来るんだ。
頻繁に出て来るようになったから、僕自身もう身体がもたなくて。
どうしてだと思う?」
そりゃあ貴方の長がいけませんよ。
以前は、いつローズが表へ出て来たのですか?
「薔薇にとってちょうどいい湿度と温度、それから、他の薔薇の色素を水に溶かして、溶かした水を皮膚の上に落としたら」
よく分かりました。
…まず貴方に必要なことは、誰かに"利用されない"ことです。
「利用されない?」
気付いていないのですか…。
「利用されていることは知っているよ。
だけど、そう感じないから」
それは不思議ですね。
酷い仕打ちをされている筈なのに、感じないとは。
「だけど、僕ももう子供じゃないから、そろそろ自分の意思で生きないといけないね。
僕の身体に負担がかかってばかりだと、いつか自分じゃなくなるような気がするから。
ありがとう、ユリユリ」
どういたしま……ん?
今ウィル様、"ユリユリ"って言いました?
「うん。
リイルがユリスに、"ユリユリ"って呼ぶと喜んだって言ってたから」
貴方も本当、純粋な方ですね(苦笑)
そんな単純な冗談に(げふん)
いえ、何でもありません。
とにかく、今の貴方に足りないのは、自分を信じるという勇気だと思います。
自分を信じきれないから誰かを頼ろうとする、頼ろうとするから利用されてしまうのです。
「なるほど、ユリスらしい見解だね。
どんなことでも堂々と言えるユリスが、僕には眩しく見えるよ」
私も数多くの経験を得て、貴方に堂々と言えるのです。
早いか遅いか…ただそれだけです。
「そうだね、スカーレットの為にも頑張らないと…ありがとう」
お気をつけてお帰りくださいね。

以上で、すべての方の悩みを聞いたことになりますが。
皆さん悩みが小さいですね(笑)
ですが、悩んでいることには変わり無いですから、仕方ないです。
私のアドバイスで、少しでも皆さんの気が楽になるといいです。
…管理人さんも悩みがあると?
貴方の悩みは、貴方自身で解決してみては。
きっと自分の為になります。
自分で悩みを解決出来ること以上に、素晴らしいことはなかなか無いのですから。


fin.
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