番外編
□白黒Noise
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「まあ…お前の薔薇のことは分かったから、あまり無理はするなよ…ウィル?」
机に突っ伏す形で、ウィルは寝息を立てていた。
インティゴは溜息を付いた。
「自由奔放で困るよまったく…」
彼の方が俺より幼く見える。
そう長が言っていた。
性格上のこともあるが、1番は感情のことだと思う。
感情がころころ変わり、周りの人間に流されて生きている。
自分で判断が出来ていない。
それがウィルだ。
昔も今も縛られているからな、ウィルは。
俺はウィルの頭を撫でた。
柔らかい髪が指をすり抜けた。
ウィルはまったく起きようとしない。
「こんなところで寝ていたら、風邪ひくよ」
俺はベッドから毛布を引っ張ってきて、ウィルに掛けてあげた。
時間を確認して、俺は部屋を後にした。
「すぐ戻ってくるから、大人しくしてろよ」
届かない言葉を捨て、インティゴは闇の中を歩いて行った。
end.