Gate of Blackness

□Blindness-映らない瞳-
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「スカイ…スカイってばっ」


俺は王子の呼びかけで我に帰った。
王子が俺に電話を差し出していた。
「大丈夫…?
また思い出してたの…3年前のこと?」
「いえ、大丈夫ですよ」
俺は王子に一礼し、電話を受け取る。


「もしもし」
「スカイ、貴方に伝えたいことが…というか私から命令を下すわ」
ティアラ様の御命令…?
俺には何も思い当たる事件とかはないが…何かあるのだろうか。
「先日国中の人が大量に殺害されたでしょう?」
…それは、俺がダアクと対面したあの事件のことだろうか。
「それでもうこれ以上逆襲班マリスの思い通りにさせたらダメだって、国王が表明したの。
そこで、これからスカイとスカーレットには逆襲班マリスの過去を調べて貰いたいの」


逆襲班マリスの過去。


それは俺がどんなことよりも知りたいことだった。


俺はちらと王子の方を見る。
逆襲班マリスの過去は、絶対何かあるはずだ。
暴力に流血…そんな悲惨な過去を王子が知ったら。
俺は胸を痛めた。


可哀相で仕方がない。


「あ、ひとつだけ言っておくわね。
スカーレットが可哀相だからとか、考えてはダメよ。
彼にも現実は見て貰いたいの」
うっ。
俺の考えはお見通しということですか。
「分かったわね。
明日はこの世界の端にある村、プラハ村というところに行って来てね。
その村にはこの世界の神様が奉られてあるから、一度拝みに行きなさい。
それじゃあ、これからよろしくね」
俺に言葉を言わせる隙間さえ見せず、ほぼ一方的の電話だった。
そして、この命令は絶対のようだ。
王子は俺の後ろでティータイムをしている最中だったが、
「プラハ村か…明日は大変そうだけど頑張ろう」


やる気満々だった。
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