Gate of Blackness

□Blindness-映らない瞳-
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第1章ー静かな時の向こうー


静かな朝だった。
俺、スカイは、只今ベッドの上で朝っぱらから格闘を繰り広げていた。
「おっはよースカイっ…ありゃ、反応が薄いなあっ」
朝から元気のいい小学生のような声で、この世界の王子、スカーレットが俺のベッドに目線を移していた。
ベッドの上にいるものとは。


小さな子猫だった。


昨日から王子がディルカより預かっている子猫。
俺は何故か動物に対して、異常反応を起こす。
嫌いなわけではないのだが、身体が拒否反応を起こしていた。
「王子…俺が動物苦手なことを知っているでしょう」
「知ってるよっ。
だけどこの子猫すっごくふわふわなんだからっ」
いや、会話が噛み合っていないような…。
王子は俺の感情を無表情から読み取ったか、子猫を抱き上げた。
王子と子猫がセット…なんだか嬉しそうな顔をしている。
「分かった、どかすねっ。
だけどいつか動物好きになれるといいねっ」
身体がな。


王子は子猫を廊下に手放した。
「多分使いの人が捕まえてくれる筈だよ」
一応俺も貴方の使いです(執事ですので)
俺が出来ないことと直面すると、執事は何でも出来ないといけないように感じる。
王子は完璧じゃなくて大丈夫と言ってくれたが。
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