Gate of Blackness
□Blindness-映らない瞳-
2ページ/47ページ
Prologueー忘れられない世界ー
誰かがオレを呼んでいる。
何て言ってるのかは分からない。
とても、小さな声で。
けど…この声を聞いてると、懐かしい感覚に浸る。
正直、過去のことを思い出す自信なんて無い。
じゃあ…この懐かしい感覚は何だろう。
なあ、お前はオレが知っている奴なのか?
お前の顔をオレに見せてくれよ。
何か…何か忘れてることに気付くんだ。
過去だって、思い出せるかも知れない。
だけど…何を忘れてるのかは分からない。
もう少し、もう少し大きな声で話してくれないか。
お前が側にいてくれたら、きっとオレは忘れてる何かを思い出せる。
…そんな気がするんだよ。
手を伸ばせば…オレはこの闇からも抜け出せるのに。
なのに、手を伸ばさないオレがいた。
.