死神ゴッズ

□TURN4
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ガァン!!!
遊星達のガレージに鈍い音が響く。
壁に向かって拳を叩きつけたカリアは静かに口にする。


「あの野郎…
絶対に許さねぇ。
見つけ出して八つ裂きにしてやる……」


普段の彼なら絶対に出さないような低い声。
そんなカリアにジャックとクロウは声を掛けようとする。
が。


「あらあら、八つ裂きだなんて物騒な発言ね。
貴方、仮にもバイアーメでしょう?
恋人を誘拐されて怒りが頂点に達しているのは分かるけど、もう少し品のある言葉を使ったら?」


その場に響いた冷静なフィーネの声。
冷静すぎる彼女はカリアを冷たい目で見つめる。


「それでフィーネちゃん。
あの後、何か調べていたよね。
何か分かったの?」


アウロンの疑問。
彼は自分より背の低いフィーネを見下ろす。
そう、彼女は仮面の男が消えた空間を調べていたのだ。


「クロコダイル君はバイアーメだから知っていたと思うけど…
アウロンには話したわよね。
昨日、このネオ童実野シティに歪みが発生したって。」


「うん。」


「ちょっと待て、フィーネ、アウロン。
歪みとは何のことだ。」


突然わけのわからないことを言い始めた2人。
彼らの会話にジャックが説明を求める。
彼の言葉にフィーネはため息をつき、ガレージ内に置いてあるPCを立ち上げる。
すぐに立ち上がったPCにフィーネはUSBを差し込む。
そしてその中に保存されている例のデータを皆に見せた。


「何だこりゃ。」


「見たこともないデータだな。
何だこれは?」


クロウとジャックからの疑問。
フィーネは先ほどアウロンにした説明をこの場にいる全員にした。
彼女の口から出た言葉に、カリア以外が驚きを隠しきれない。


「それで、フィーネ。
どうせyouの事だ。
科学の力で昨日発生した歪みと、さっき発生した歪みが一致したんだろう?」


「えぇ。
まぁ、貴方は自分の力でそれを感じ取っているようだけど。」


当然だ。
自分は次元の扉を管理する番人だ。
次元の歪みには誰よりも敏感だ。
そして、すぐに対処しようと動いたが…


「でも、こんな結果になってしまったという事は。
まだ対処の仕方は甘いって事かしら?
なんならご指導しましょうか?」


「………」


一気に顔を歪めるカリア。
彼が纏う雰囲気が冷たくなり、彼はフィーネを睨みつける。
しかし彼女が言っている事も事実だ。


「考えておくよ。」


「なら、いつでもいらっしゃい。
ちゃんとご指導するわ。」


反論できないカリアは深呼吸をし、自分の行動を悔いた。
遊星を優先しなければ。
ちゃんと対処しておけば遊星は捕らわれなかった。
しかし今となっては後の祭り。


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