死神部屋

□TURN5
1ページ/5ページ



綾乃と呼ばれた少女。
姫路達は彼女の仲間である【死門番レーザ】が出現させた禍々しい扉をくぐる。
もしかしたらこの先に罠が待ち受けているかもしれない。
しかし、くぐらなければ自分達は崩壊する街に取り残される。


「嘘…?」


眩い光をくぐり、出た先の景色に姫路は目を見開く。
姫路だけではなく隣にいるジムも目を見開いていた。


「ここは、童実野町か?」


伝説のデュエリスト、武藤遊戯が住んでいる町。
今はデュエリストにとって聖地となっている場所だ。
姫路達は怪訝そうな表情で綾乃を凝視した。


「正解。
パラ様が真の目的を果たすために選んだ舞台よ。」


綾乃はゆっくりと歩み、下を見下ろす。
丁度下ではデュエルモンスターズの大会が行われていた。
さらにデュエルモンスターズの生みの親、ペガサスがちょうど挨拶をしている。


「ところで貴女はいったい何者なの?
詳しい事はこの時代で話すって言ったわよね?
さぁ、話してもらいましょうか?」


険しい表情を浮かべたまま喋るアイリス。
綾乃はフッと微笑み、仲間達の前に立つ。


「じゃ、簡単な自己紹介から。
私は霜月綾乃。
そして彼らは私の大切な家族【死神】達よ。」


「ケケケ…」


「ふふっ。」


「……」


綾乃の家族と紹介された精霊達。
彼等の雰囲気に姫路達はヨハンの事を思い出す。
ヨハンも精霊の事を家族と言っていた。


「じゃあ、まずは…」


綾乃が詳しい事を説明しようとしたとき、自分達の頭上を何かが通る。


「え?」


「What’s?」


「…嘘…?」


巨大な3体のモンスター。
モンスターはゆっくりと翼を羽ばたき、華麗に飛んでいる。
何も知らない人が見ればイベントの余興と思うだろう。
しかし、姫路達は違う。


「【サイバー・エンド・ドラゴン】に【レインボー・ドラゴン】ね。」


そう、パラドックスに奪われた仲間のカードだ。
アイリスが呟いた途端【サイバー・エンド】達は口を大きく開き、光線を放つ。


「なっ!?」


「【スターダスト】!?」


次々と放たれる光線。
それは建物を破壊し、この場を恐怖と混乱に陥れる。
突然の光景に姫路達は目を見開くしかない。


「止めろ【スターダスト】!!」


「!?
遊星、stop!!」


いてもたってもいられず、自分の相棒に手を伸ばす遊星。
しかしここはビルの屋上。
今の遊星の上半身は柵を越えていた。


「離してくださいジムさん、【スターダスト】がっ……!!」


破壊されていく建物。
逃げ惑う人々。
恐怖を生み出しているのは自分の相棒。
ジムは遊星の心境に顔を歪めた。
するとペガサスの悲鳴が木霊した。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ