死神部屋

□TURN2
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突然の爆発音。
同時に大きな揺れが起こる。
十代は立ち上がり、ジムはとっさに姫路を庇うように抱きしめる。
店内にぶらさがっているランプは大きく揺れ、店内の人間は悲鳴を上げた。


「きゃぁああああ!!!」


「助けてくれぇえええ!!!」


外から聞こえる悲鳴。
アイリスは窓を開けて外の様子を見る。
外は建物が崩れ、通行人たちがレンガの下敷きになっている。
その光景にアイリスは舌打ちをした。


「!!」


突然感じた嫌悪感。
姫路は口元を押さえ、嘔吐感を覚える。
そして彼女は顔を上げてアイリスのように窓から外を覗く。
覗いた彼女は空を見上げて目を見開く。


「What!!?」


「なんだ、アレは…」


「マジかよ…」


空に現れた巨大な影。
その巨大な影の主は表現できないほどの速さで空を駆け抜けている。
そして同じ場所を旋回していた。
姫路と同じ窓から空を見上げるジムとカガリ、十代。
2人は空を飛び回っている主に驚く。
姫路は影の主の名を呟いた……


「…【レインボー・ドラゴン】に…
……【サイバー・エンド・ドラゴン】……?」


そう。
先日、ヨハンとカイザーが謎の男に奪われたエースモンスター。
そのモンスター達は咆哮を上げ、街に対し攻撃を始める。
口から放たれる光線は街の地面を抉り、更なる恐怖を人々に与える。


「馬鹿な!!
あれは実体化しているのか!!?」


カガリは叫ぶ。
すると【レインボー・ドラゴン】が姫路たちを睨み付ける。
そして【レインボー・ドラゴン】は口を大きく開き、光線を放った。


「ちっ、【ネオス】を召喚!!!」


自分達に向かってくる光線。
十代は姫路の前に立ち、デュエルディスクを始動させ【ネオス】を守備表示で召喚した。
【レインボー・ドラゴン】の攻撃を受け流す【ネオス】。
だが受け流された光線は喫茶店等を破壊する。


「!!
十代君、姫路、後ろよ!!!」


「何!??」


後ろから感じた気配。
アイリスは後ろに振り向き、自分達を見下ろす【サイバー・エンド・ドラゴン】に驚く。
それに対し叫んだ。
彼女が叫んだと同時に【サイバー・エンド・ドラゴン】は光線を放った。


「っ、カガリ!!!」


姫路も十代と同じようにデュエルディスクを始動させ、カガリを守備表示で召喚する。
彼女は姫路達を守るように【サイバー・エンド・ドラゴン】の攻撃を受ける。


「くっ…!!」


だが、守備力1800のカガリと攻撃力4000の【サイバー・エンド・ドラゴン】では話にならない。
カガリはあまりの重圧に顔を歪める。
そして後ろにいるジムや姫路、アイリスと一緒に吹き飛ばされた。


「がっ!!」


「キャ!!」


「うっ!!」


「くっ!!」


「っ、姫路、ジム、カガリ、アイリスさん!!!」


【ネオス】で【レインボー・ドラゴン】の攻撃を受け流していた十代。
彼は後ろで吹き飛ばされた姉達の名を叫ぶ。
そして彼女達の元に行こうとしているが【レインボー・ドラゴン】が邪魔をする。


「ちっ!!」


小さく舌打ちをした十代。
彼は【レインボー・ドラゴン】の攻撃を避けながら姫路達が吹き飛ばされた場所に目をやる。


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