過去の拍手文
□構って
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Side オサ
「まさちゃん」
「・・・」
「まさーちゃぁん」
「・・・」
「まさこぉー!!」
今日のアサコは甘ったれモード全開。
本を読む私の腰に巻きついて、構ってほしそうに私の名前を呼ぶ。
私が1人の時間を大切にする事を知ってるアサコは
2人で居る時でも私が本を読みだすとそっと離れて自分の事に集中してくれる事が多いのに今日は私を本に取られたくないみたい。
ホントは甘えてくるアサコが可愛くて私の意識は既にアサコの物。
もう5ページほど内容なんて頭の中に入ってない。
それでも、まるでアサコなんて眼中にないように頭に入らない本をめくり続けているのは…
アサコの私を呼ぶ声が可愛いから(笑)
反応しない私の腰に巻きついたり、本の下から顔を覗かしたり、私の髪をいじってみたり・・・
そんなアサコを見ていたいから。
「おっ!んふふ(笑)」
アサコはどうやら私の膝の上に定位置を見つけたみたいで頭を乗せてご機嫌のご様子。
可愛いなぁ〜
「ふふふっ、んー」
本の隙間からアサコを覗くと私の膝の上で気持ちよさそうに陽だまりの猫のように寝がえりを打つアサコ。
「・・・・・。」
かと思えば、寝返りを打ち私のお腹の方に顔を向けた瞬間ピタリと動きを止め、真面目そうな顔で私のお腹を見つめるアサコ。
何かついてたかな?
そのまま少し悲しげな顔に変わるアサコ。
「ねぇまさちゃーん」
「んー?」
急にアサコが顔をあげるから、急いで視線を本に戻す。
そして、全くアサコを観察していた素振りなんて見せずに興味のなさそうな声をだす私。さすが女優(笑)
膝から顔を上げ、私の顔を覗き込むように問いかけてくるアサコ。
「また痩せた?」
「あー、そうかも。」
「駄目だよ食べなきゃ。」
アサコの言葉に、アサコの顔を見るなら今がチャンスっと本から視線をアサコに移す。
うわぁ、想像してたより可愛い。
・・・どうしよう(笑)
アサコは口をキュッと結び眉を垂らして、まるで心配で溜まらないと言う表情で私を見つめてた。
ヤバイっ可愛い(笑)
もう少し1人で私に戯れる無邪気で可愛いアサコを見ていたいと思ったのに。
アサコの余りに可愛い表情に思わず伸びてしまう私の手。
アサコの頭を撫でて、その手をゆっくり頬まで移動させる。
そして「ん。」って微笑むと・・・
「・・・・。」
こうして微笑むと大体の場合どんな不機嫌なアサコの表情も一瞬で人の腕の中に居るネコのような表情に変わるのに。
今日はどういうわけが心配そうな顔が崩れない。
むしろ、誤魔化さないで。
っとでも言われているかのよう。
そんな優しいアサコも大好き。
アサコが私の心配をしてくれるから、私はどんどん前に進んで行ける。
“ありがとう”
の意味を込めて、アサコに触れるだけのキス。
すると、心配そうな顔を一気に破綻し。
一瞬目を見開いたかと思うと、頬を赤く染め、何っ何っと分かりやすく動揺し、そんな自分を茶化すかのように顔を隠して
「きゃーーーー」
だなんて黄色い声を上げるアサコ。
可愛すぎるでしょ(笑)
私のアサコ♪
百面相を披露するアサコを微笑みながら見つめていると
「なになにっ!?どうしたの?どういう心境の変化!?さっきまで私の事シカトしてたくせにっ」
だなんて可愛いくドキドキするその胸を誤魔化すかのようにふざけるから。
だからもう、そんな可愛いアサコから一瞬でも目をそらす事が出来ない。
仕方がない。
アサコ観察は止めにして
遊んでやるか(笑)
パタンと本を閉じると、分かりやすく嬉しそうな顔をするアサコ。
その表情の奥で、してやったりなニヤリ顔を隠そうしているアサコ。
あぁ、結局アサコに乗せられてる。
・・・そう思いながら、アサコに魅せられる心地よさから、もう抜けられない(笑)
END