小説

□悪ガキ2(オサアサ)
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Side オサ
あれから何事もなく
数日が過ぎて


今度は舞台袖でアサコと二人でふざけ合っている所をまたこの間の上級生に見つかって怒られた。


幕が閉じてから数人の先輩に呼び出されてまたもう一度怒られる。
「舞台袖でふざけるなんて、プロとしての自覚が無いんじゃないの!?
そんな事をしてる暇があるなら上級生の男役の仕草の1つでも研究しなさいよっ!」


今回は
さすがに耳に痛かった。
言い訳のしようもなかったから・・・

確かに自分にはプロとしての自覚が薄いのかもしれない。
そう考えると自分に対して悔しい気持ちとその先の不安が目の前に広がって、ほんの少し動けないでいた。


すると突然目の前にアサコが顔を覗き込んで来て
悪戯そうな笑顔でニシシと笑う。

その笑顔が今、アサコも一緒に怒られていたはずなのに余りにも楽しそうで。


前に怒られた時、二人一緒なら、そんな時でも楽しかったと言う事を思い出して。
それが何だかとても可笑しくて…

そのアサコの悪戯そうな笑顔を見ていると
私の役目取られちゃったなぁって思って

それが更に可笑しくて。
思わず笑みが零れる。

「クスクスクスっ」

私が笑ったのを見ると
アサコはより一層顔をクシャってさせて笑った。
「ニシシシシっ」

「んはははははっ(笑)」
「あはははははは(笑)」

お腹を抱えて二人で大笑い。


「何笑ってるの!」
って、
また更に怒られたけど


もうスッカリ悲しい気持ちは消えてしまっていて
何だか怒られている事すらも可笑しくって(笑)

もう笑いが止まらない。



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