!恋人ごっこ

□おれの世界
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『やめろ!はなせっ』


その反動で被っていた帽子が取れる

その瞬間、とり囲んでいた
奴等がざわついた。


『こ、子供?!』
『聞いて無いぞ!』
『流石にそれは…』
『いい大人のすることじゃないな』


あぁ、なるほど。
大人なら殺しても良かったのかな。

なんて、冷めた頭で考えた
でも一番驚いていたのは
捕まえられたこいつで。

口をパクパクとしていた。


「あは、びっくりした?
で、どうよ。子供に追い詰められる気分は」


にっこり笑顔で言ってやると
ハッとして我にかえった。


『こ、子供でも関係ない!
だいたいおまえは寺橋家の者ではないだろう、なぜここにいる!』

「つまんない質問だねー
そんなの、おれが寺橋家の者だからだよ」


はずれ、と笑ってみる
まだぎゃあぎゃあ騒ぐから
さっきより銃を強く押しつけた。


「ま、どっちにしろ除去させてもらうな」


バイバイ、の言葉と、
銃声が同時に重なって
原因であるそいつの力が抜けた。

ごろり、と放って
まだ居るそいつらを見て、言う。


「今日の事、誰にも言うなよ。
じゃなきゃ、おれ今度はお前ら殺さなきゃ駄目になるから」


無理矢理笑ってたから
苦笑の様になっていたかもしれない

その場にいたのは金で
雇われた者だけらしくて、
懸命に首を縦にふっていた。





あはは、馬鹿だよなぁ、俺。

そう思って油断してたんだよ


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