05/22の日記

16:10
No.1 場違いなガキ
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【数字と音符の鎮魂歌】No.1

★「場違いなガキ」

物理と音楽…ライヴというものは、非常によく似通っている。
仮説を立てて実験を繰り返し真実を解くのと同じで、旋律とリズムを掛け合わせ納得のいく音を作り出していく。
数字は音符…リズムは脳回路…全てが重なり合ったとき、それは快感になる。


明智 英次、21歳。
名門大学で物理を専攻、軽音部に所属しベース兼ギターを担当。顔も頭も良いベーシストのニックネームは当然「王子様」。


軽音部でギター兼メインボーカルを担当している先輩。背が小さくて小動物みたいなので女子に人気だ。
どうやら就職活動に専念する時期に入ったらしく、ライヴに出られないそうで…
新規構成を考えてくれたのはいいが歌うことになってしまったようだった…。


ライヴ当日の深夜。
会場は学生のバンドの活気に溢れた演奏で熱気が渦巻き、そんな中でトリを飾ることとなった。
演奏が始まると観客は拳を振り上げ熱狂…英語の歌詞を歌う最中、不意に違和感を感じステージから会場に視線を這わせる。

…違和感…まさに不自然そのもの。
深夜の、青年たちが体を揺らしている間に見えたのは小学生くらいの子供だ。
「深夜のライヴ会場で、ガキが独りで何してんだ…親はどうした…?」




continue.

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