あるところに,二人兄弟の旅人がいました。


兄も弟も,何日もまともな食事をとれていませんでした。


兄弟が諦めかけた頃,ようやく村にたどり着きました。


早速村人に何か食べ物を貰えないかと,助けを求めました。


しかし,村人に「お前達に食べさすものはない」と断られてしまいました。



「兄さん,僕お腹が空きすぎて倒れてしまいそうだよ」


「僕もだよ。何とかして食事を分けて貰えないだろうか」



せめて弟だけにも何か食べさせたいと思う兄は,どうにかして村人から食べ物を貰えないか思案しました。



「…そうだ,いいことを思いついたぞ」


「いいこと?」


「ああ,言葉の魔法を使うのさ」


「兄さんは魔法が使えるの!?」


「これは,誰にでも使える魔法なのさ」



そう言うと兄は,道端に落ちていた石を拾い,再び村人の家に向かいました。




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