切れ端

お話の欠片。
◆亜莉子 


「お母さんが大好き」
嘘かもしれない

「お母さんが大嫌い」
嘘かもしれない

ずっとお母さんに好かれたいと思っていた
お母さんに認めてもらえたらそれでいいと思っていた


長い時を経て今振り返れば
私の母はなんて弱い女だったのだろう
彼女に認められて一体何になるというのだろう


母に愛されることだけを望んで生きてきた
少しでも愛されていたならそれで良かった



「お母さんが大好き」
嘘かもしれない

「お母さんが大嫌い」
嘘かもしれない


行き止まりでこれ以上進めない
後戻りしようにも、振り向けば来たはずの道はない


あるのはぱっくりと口を開いた空洞だけ

母に愛されたいと思い続けることが私の存在意義だったのだ
特に愛されたいと思えなくなった今、私は急に息をするのが面倒になった




書き殴り
浮かんだ感情を忘れない内にメモ

2011/04/17(Sun) 00:03

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