切れ端

お話の欠片。
◆亜莉子 


母親が髪をかきあげる
それだけの動作だった

それだけの動作に、私の心臓は大きく震え、私の両手は条件反射のように頭の前でクロスしていた

髪をかきあげただけの母は眉をひそめ、何もしないわよと言いながら私の頬をうった

2010/07/07(Wed) 11:05

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