文


□ 私の猫
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君を抱きしめる。君が望むから、ただそれだけ。君が望まなければこんな事はしない。僕の中に君を閉じ込めるようなこんな行為は、僕だけのアリスにしたいという想いが強くなるだけだから、出来ればしたくないんだ。

僕の中のアリスがもぞもぞと動いて、いたずらっ子のように笑ったと思ったら、顎に口付けてきた。自制がきかなくなりそうで、抱きしめていた腕を緩めたら、反対にアリスに抱きすくめられる。彼女の甘い匂いが鼻腔をくすぐる。まるで二人が溶け合ったような錯覚。自分の物に出来ないなら、せめてアリスの中に戻りたい、と思い「僕をお食べ」と誘ってみたけれど、「じゃあ、いただきます」と言った君は唇を合わせてきただけだった。




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2010/04/27

4/27〜5/15拍手文。
切れ端に載せようかと迷いましたが、それにしては長くなりすぎたので拍手文にしました。拍手文にしては短すぎました…

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