小説『導かれる決闘者』
□第1話『孤高のデュエリスト』
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それから時は経ち…
遊斗はデュエルアカデミアに入学し校内トップの成績を収め、卒業した
遊斗にとってこの三年間はあっという間だった
父のいない空白の時間はまだ続いていたのだ
そして
遊斗19歳の誕生日の日
母親は遊斗に一枚の手紙を手渡した
筆跡は父のもの
父が残した最後の手紙だった
母「遊斗…あなたはもう気づいていたかもしれないけど、お父さんはあの日を境に失踪した…。
あの日遊斗には嘘をついてしまったけど、あなたが大人になった時、必ず真実を話さなくちゃって思ったの…。本当にゴメンなさい…」
母は目に涙を浮かべ遊斗にそう告げた
遊斗が手紙を読んでみると
中にはこう書いてあった
「愛する妻へ
突然いなくなって本当にすまないと思っている。
だけどこれも自分が犯した過ちのため。
俺はそれを精算するために暫く家を留守にする。いつ帰ってこれるかはわからない。
お前には不自由な思いをかけるだろうが許してくれ。
そして遊斗には俺が仕事で遠くに出掛けてると伝えて欲しい
本当にすまない。
全てを精算したら必ず家に帰る
遊摩より」
手紙を読んだ遊斗は衝撃と寂しさ、そして同時に母を苦しめた父親に怒りさえ覚えた
何年もの間、母一人で抱えこんでた辛さで胸がいっぱいになったのだ
真剣な表情のまま遊斗は手紙をぐしゃっと握り締め泣きじゃくる母を抱きしめる
遊斗「母さん…」
遊斗「俺…父さんを探してくる」
母「…!!」
母の涙と体が急に止まった
母「……あなたならきっとそう言うと思った。
だけど危険すぎる…!もしあなたまで失ってしまったら私はもう、耐えられない…!!」
泣きじゃくる母だったが遊斗は冷静に母の目を見つめこう言った
遊斗「母さん…気持ちはわかるよ。でも俺は父さんを許せない!どんな事情があったにしても母さんにこんな思いをさせた父さんを、許せないよ…!
だから俺が…俺がどんなことをしても必ず父さんを連れ戻す!」
遊斗の決意は固まった