01/12の日記

18:18
雪が降ってもいつもと同じ(盗賊イヴェサン
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少し固めの雪が降る中、ローランサンは傘もささずに、その白い世界に突っ立っていた。


「おい、風邪引くぞ。」


対照的に傘をさしていた俺は、ローランサンに近寄り、相棒を傘の中へと誘い込んだ。
しかし、サンはそれが嫌なのか、傘の中から出ていく。


「風邪引きたいのか。」


こっちは一応優しさから同じ傘に入れてやったと言うのに。

いつもより低い声に、俺の機嫌が下がっていっていることに気付いたらしい。振り向いたサンの頬は寒さで真っ赤になっていた。

馬鹿。
だから傘に入れって言ったんだ。

再度忠告をするが、それでもサンは降り続く雪の中から離れなかった。


「お前、そんなに雪好きだったか?」


自分の記憶が正しければ、寧ろこいつは寒いのは苦手なはず。

純粋な疑問だった。


粉のような雪を掴むのに夢中なサンは、何も考えていないからこそ出来る屈託のない笑顔を浮かべて、こう言った。




「雪ってお前に似てるだろ?だからなんか、あまり嫌いじゃねぇみたい。」


俺は言葉をなくした。

どういう意味にしろ、寒いのが苦手なこいつが、雪は俺に似てるから嫌いじゃないなんて、相当な殺し文句だ。

無言になった俺を見て、自分の失態に気付いたのか、サンは寒さ以外の理由で顔を真っ赤に染めた。


「あ、ちが…っ、…雪は冷たいし、掴みどころがねぇし…そういうところが、誰かさんに似ているような…」


弁解になってねぇよ。
雪と俺の似てる点じゃなくて、そこは雪は好きだけど、俺のことは好きじゃないって弁解するべきだろう。

込み上げてくる笑いを口を塞ぎ堪えるが、もう限界だ。

サンは静かに笑い出す俺に、「笑うな!」と、文句を言ってくるが、そんなの痛くも痒くもない。


「そうか、サンは俺が好きなのか。」
「違う!!雪が好きなんだ!」
「俺みたいな?」
「もう黙れよ!」
「じゃあ、冬は嫌いか?」
「…嫌い…ぁ、どの冬のことだ!?」
「深い意味なんかないな。」


逆に、しばらくこのネタでからかえる。
サンが泣いて嫌になるぐらい、いじり倒してやる。







うちの盗賊イヴェールはサンをいじめることを生き甲斐にしている気がしてならない←

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