12/31の日記

21:31
盗賊?キルアレ
---------------

※物語のイヴェサン、エピタフと微妙にリンク。






「…ありがとう、か。」


知り合いの盗賊、ローランサンが相方のイヴェールに言われたという言葉を、復唱する。
風邪で弱っているサンが、先に言い出したらしいが、結果共に「ありがとう」の応酬を始めたらしく、言い合いが終わった頃には、熱はすっかり下がっていたと、愚痴を零していた。

だが、その横顔が、とても幸せそうに見えたのは、おそらく気のせいじゃない。


「私は…言われたこと、ないな…」


ましてや私の相方は優しいようで、全く優しくない。自分を中心にして、世界が回っていると思い込んでいてもおかしくないくらいの奴だ。
「ありがとう」なんて、生まれて今まで一度も言ったことがないだろう。


「何を言われたことがないんだ?」
「キルデベルトに“ありがとう”って…」
「言って欲しいのか?」
「…ベ、ベルト!?お前!?」



確か、酒を飲みに行ったはずじゃ…。
酒場に行ったはずの相方が、いつの間にか帰っていたことに、心臓が止まりかける。
が、こいつが他人の心臓を気遣うわけもなく、私の服の襟を掴むと、そのまま私を持ち上げ、ベッドに放り投げた。
そしてあろうことか、奴は軽く目を回している私の上に跨がってきた。俗に言うマウントポジション。


「…ぐっ」
「酒は充分飲んだ。我は欲求を満たす為に帰ってきた。」
「どんな欲求だ!!」
「性欲だ。」
「…〜〜〜っ!?」


なんとかベルトを引きはがそうとするが、無駄に良い声で耳元で囁かれたものだから腰が…


「なんだ?声だけで反応したのか?」
「ち、ちが…ッ」
「嘘をつくな。」
「…ゥアッ!?腰を撫でるなっ!!」


この変態相方、いつか潰してやる…!!


やはり、こいつが「ありがとう」を言うなど、本気でない。
他人を羨むのも、高望みをするのも、やめよう。


「なんだ?今日はやけに素直だな。」
「うるさい…。仕事に支障が出ない程度で…やれ…。」
「考えておく。」
「考えろ!!」


私達はイヴェールやローランサンとは違う。
互いがいなくても生きていける、いつでも別れられる関係。
遺言も、伝言も必要ではない。


「いつかお前とのコンビ…ッ解消してやる。」


必要なのは…


「我は解消するつもりはない。



“離さない”と言っただろう。」


五つの呪言。
その呪いが私を束縛し、私を歓喜へと浸らせる。




(やはり、お前が羨ましい…ローランサン。)






今年最後のUPがキルアレって…←

盗賊キルアレもありかなーと思う今日この頃。
あ、でも、賞金稼ぎとかもありだ、この二人。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

18:02
盗賊イヴェサン(小ネタ
---------------

現パロ。
イヴェール、ローランサン共に三兄弟設定。

イヴェール家
長男…盗賊イヴェ(朝)
次男…屋根裏イヴェ(夜)
三男…天秤イヴェ(黄昏)

ローランサン家
長男…風車サン(ソレイユ)
次男…盗賊サン(サン)
三男…黒サン(リュンヌ)

長男とか三男とかありますが、設定としては三つ子なので、年齢は気にしないでください。





「今年一年、振り返ってみろ。」


脚立に跨がり、天井からぶら下がる電球をみがくサン。
俺はその脚立が倒れないように、しっかり押さえてやってるのだが。


「なんで俺がそんなことするんだ。脚立倒すぞ。」
「ふざけんな!倒したらボコボコにするからな!」
「それが、わざわざお前の家の大掃除を手伝ってやってる、俺に対する態度か?」


高校も冬休みになり、暇だった俺は幼なじみのサンの家まで来た。そしたら大掃除をしていて、暇な俺は、しかたなく掃除を手伝ってやることにした。

しかし、


「手伝ってくれって言ったわけじゃねぇし。第一、一人が無理だったら、黄昏に手伝ってもらうから良い。」
「ん?呼んだ?」
「呼んでないから、さっさと消えろ。」
「朝!黄昏に八つ当たりするなよ!」


既に先客―弟の黄昏がいて、黄昏と比べると、自分の扱いが酷いことが、よくわかった。

まだ用のない黄昏には退場していただき、再度電球掃除を再開する。


「お前、黄昏にだけやけに優しくないか?」
「お前以外に優しいんだよ。」
「犯されたいか。」
「遠慮しとく。」


無駄口を叩きながらも、手だけは黙々と掃除を続けるサンに、少し感心した。

昔は、兄のソレイユに迷惑をかけてばかりで、面倒も見てもらっていたくせに…


「…もしかして、お前料理出来たりする?」
「馬鹿にしてんのか?出来るに決まってんだろ。普通に家事も炊事も出来ます。」


いつの間に、そんな家庭的になったんだ。


「じゃあ、我が家用に雑煮作れよ。」
「嫌だ。どうせ年越しからうちにいるんだろ?なら、ソレイユが雑煮作るから良いだろ。」


いや、確かに毎年、年を越す前からこいつの家に入り浸ってるし、今回もそうするつもりだったが、少しは察しろ。お前の手料理が食べたいんだって。

流石に恥ずかしくて言えねぇ。
話しを逸らす為、先程サンが言っていた話題を持ち出す。


「…で、何で俺が今年を振り返るんだ?」
「今年一年、俺に迷惑かけてばかりだったとか、俺に酷いことしたとか、なんかないのか?」
「ないな。」
「即答するな。」
「うるさい。犯されたいのか。」
「もうやだ、おれ、なきたい。」


半泣きになりだし、「そーゆーとこを反省しろよ!」と力説するサン。

馬鹿だな。
そういう反応が可愛いから、いじめるんだよ。

今年一年、サンをからかい、いじめ、色々な意味で手を出しまくったからな。
来年は、もう少しだけ優しくしてやれるよう、努力するか。




盗賊イヴェの来年の抱負です(^0^)/←
夜やリュンヌ、ソレイユが出る暇なかった←
ソレイユはご飯作ってて、夜とリュンヌはリュンヌの部屋でダラダラしてます←

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ