天空のヴァルキュリア
□戦死者を選ぶ者
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戦死者を選ぶ者…それがヴァルキリー。
ヴァルキリーは天空の宮殿ヴァルハラの主神オーディンに仕える九人の美しい女神で、その生を終えるまで戦い続ける。
ある朝、また一人戦場で戦士が倒れた。
九人のヴァルキリー達の内の一人、ミレーヌが勇敢な戦死者を迎えに行くこととなった。
冬の夜の帳に一人の若い男が倒れている。
枯れた木の葉が次々と男を包んでは悲しく風に流される…
大切な物を守れなかったためか、自分の弱さを嘆いてか、頬には涙が通った後がある。
ミレーヌは白い白馬になり男の前に立つ。
「馬…か…?」
男からか細い声が聞こえた。
「貴方を迎えに来ました…」
ミレーヌが優しく男に喋りかける。
「はは…馬が喋ってやがる…俺は…死ぬ…のか…」
男は目の前で白馬が喋るのを見て驚く。
「貴方をヴァルハラに連れて行きます…」
ミレーヌは女性の姿になり男をミレーヌが連れて来たペガサスに乗せる。
「俺は…死んだのか?」
男がミレーヌに問い掛ける。
「はい…貴方は勇敢に戦場で戦い、戦死しました」
「そうか…それよりあんたはなんなんだ?なんで俺は死んだのにこんな羽の生えた馬の上で喋ってんだ?」
男が当然の疑問をミレーヌに投げ掛ける。
「私はミレーヌと申します。貴方は精神が具現化され、ここに存在を認められています。後この子達は羽の生えた馬という名前ではありません。ペガサスです。」
ミレーヌが男に説明をしている内にヴァルハラに着いた。
「さあ…オーディン様の元へ行きましょう」
ミレーヌが男を引っ張りオーディンの元へ連れて行く。
そこには全知全能の神オーディンが神々しい光を浴び玉座に腰を掛けていた。
「それが今日の勇敢な戦死者かね?」
オーディンが口を開いた。
「はい…この男がエインヘリヤルになるアインでございます。」
ミレーヌが深々と頭を下げ、跪き、オーディンの質問に返答する。
「お、お前!どうして俺の名前を知っているんだ!?」
アインが驚いてミレーヌに問い掛ける