お話の部屋U

□せんせーとてんちょー
2ページ/4ページ

「なんだい?
みんなで楽しそうだね」
「あっ、小々田先生〜〜!!」
クラスメイト達がパッと離れた。ニコニコと輝く笑顔で、声も先程より1オクターブは高い。
「先生の名前が聞こえたけど、何を話してたのかな?
まさか悪口?」
「やっだー!先生、違いますよぉー」
のぞみの携帯を指さし、説明をする。

(ココぉ〜!ゴメンねっ!!)
(見られたものは仕方無いココ。
なんとか誤魔化すココ!)
そんな会話を目で交わしつつ。

「小々田先生、いつもは写真禁止って言ってるのに、どうして夢原さんには撮らせてあげたんですか?」
――そりゃ彼女は大事なプリキュアだからさ
なんて言えるわけも無い。
「あ、これは。
この写真は――うん、別に僕を撮ったわけじゃ無いよ」
「え、でも先生が」
「僕じゃなくて、ホラ、僕が持ってるのを見て。
可愛いと思わない?」
「え?」
「ぬいぐるみ。
可愛いだろう?」
小々田の言葉に、少女達の視線が一点に集中する。
「ちょっとね、試作品なんだ。
僕の親友がやってる店の」
「……あ、本当だ。カワイイかも〜」
「リス?ハムスター?」
「う〜ん、まぁ僕も詳しくは知らないけど、可愛いよね。
実物はね、触り心地も最高なんだよ。ふわふわしてて」
「でも、なんで夢原さんの携帯で撮ったんですか?」
「あ、先生、携帯もデジカメも持ってなかったから。
実は、内緒だけど、こっそりリサーチしてみようと思って」
「このぬいぐるみのぉ?」
「そう。
どう?可愛いと思う?」
「思いま〜す!」
「カワイ〜イ!」
「そうだよね。ね、凄く可愛いよね!
僕の親友の店には他にも君達の好きそうなカワイイ物がたくさんあるから、今度 見に行くといいよ」
「はぁーい 行きまーす」
「先生もいるの?」
「それはご想像におまかせしま〜す」
「えー、ズルーイ。センセー、教えてよ〜〜」


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ