お話の部屋U

□THE DAY BEFORE THE BEGINNING OF SPRING
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【& HAPPY】

「ひどいココ!
豆に滑って階段を転がり落ちたココ!」
「みんな楽しそうで良かったナツ〜。
のぞみの言うように、しっかり厄払いができたから、幸せな一年になれるナツ」
「でも限度ってもんをわかって欲しかったココ!」
ぷうぷうと怒るココの腕に、いさめるようにナッツが触れた。
「ココ……ありがとうナツ。
一緒に鬼をやってくれて、ナッツひとりじゃこんなに良い豆まきはできなかったナツ」
「ココ〜〜……別にそんな大したことはやってないココ。
ひとりじゃ上手くできなくても、ふたりならできるってこと、ココはナッツと一緒にたくさん経験してきて知ってるココ」

当惑気味のナッツの手を引きながら。
ちょっと大袈裟に騒いで、女の子達を追いかけたり逃げたりしていただけ。それだけだから。
律儀に礼を言われる程のことは、本当に無いに。
頭を下げるナッツに、ココの方が困ってしまう。


「……なんだか、昔を思い出したナツ」
「ナッツ?」
ふふふ と、小さく笑ってナッツが身を寄せた。
「ココのうしろにくっついて……
すごく冒険した気分ナツ」


幼い日のパルミエに想いを馳せ、幸せを、君に、僕に。



HAPPY 2011.

         fin 
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