Euthanasie.

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「リリーベル、君はそうやって笑っていた方が君に似合っておるよ。

さて、今ので分かりきったことじゃろうが君からの返事を教えて欲しい。
型式には則らなければならんからの」

顎鬚を蓄えた大きな子供が微笑む。
眼鏡越しに映る私は、きっと、あまりにも年不相応で不気味なものなのだろう。
それでも年相応の対応をしてくれる。
偏に優しさであり、エゴだと思った。



「この3週間で、魔法の本質は粗方見る事が出来ました。
勿論、入学志願します!

何もかもが不確かな私に居場所を与えて下さり、本当にありがとうございます」

捉えた本質はあっている筈だ。
ここは何もかもが本当に優しい。
暖かな水に抱きしめられるような感覚に、幸福論を唱えながら不安になった。
それでも。
不安と手を繋ぎながら、笑っていたい。


「これからよろしくお願いします」

「よろしく、リリーベル」


それでは。と私は手を振って。
ああ、そうじゃ。と引き止める声。

てっきり用件はそれだけかと思ってその場から退場しようとした足はフライングするはめになった。
再度方向転換。


「入学後の君の生活はどうしようかの。
寮生として長期休暇中もホグワーツにいてもかまわんが......。
ポッピーがそれについて提案しての。
彼女の家で暮らしてみてはどうじゃろう」


「はい?」



瞬き3回。
今2時半。
いや、それは関係ないか。
決まって2時半に聞こえるあの鳥の鳴き声をBGMに、数秒が流れた。
なんかすごい爆弾発言したよ。
なんか暮らすって聞こえたんだけど。
クラス分けの話かな、うん。
私が、ポッピーの家に、

「暮らす(stay)!?」

「むしろ暮らす(live)じゃの」

「何それ楽園じゃないですか!」

毎日がリア充じゃんか。
おいしすぎるよその提案!
好きなだけあの癒しポッピーとwithとかスネイプ先生が増殖する並に幸せじゃん。
私なんだかがんばれそう!


「是非ともよろしくお願いしたいです!」


「入学より嬉しそうじゃの」

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