突発的なガラクタ
□アルトロ スト−リア
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僕の前から消えないで。
“私は死なないよ”
僕の目の前で泣きそうな顔をして君は呟いた。
“消えない”とは答えなかった事が酷く苦しかった。
ねぇ、君はいつか僕の前から消えてしまうの?
(嫌だよ、信じたいよ)
君とはずっと一緒だと、
裏切られてもそれが分からない位信じていたいよ。
ちらりと見えてしまった未来予想図に目を背ける。
(君はいなくならないで)
そ、と点滴に繋がれた手を握る
白い手が白いシ−ツの保護色になって余計に彼女の存在を遠くに感じさせた。
(でも、前はもっと遠かった)
1o1oを繋いでやっと君の手に触れたんだ。
死人のような手は、
僅かにだけど熱を持っていて。
君は確かにここにいて、
君は確かに生きている。
でも、
この手は神に祈ることはない。
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