小説

□冷たいから。
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見渡す限りの銀世界で
1人の少年がもう1人の少年に
叫んでいた。



ソラ 「ほら、これが雪ー!!」

ロクサス「初めて見たけど
   なんかすごい…。」

ソラ 「わざわざ来ただけ
   あるだろー??」

ロクサス「…まあね。」

ソラ 「もー、
   ロクサスのツンデレー!!」

ロクサス「な…なんでだよッッ!!

ソラ 「かーわいいなぁ!!」

ロクサス「うるさーい!!」









なんでこんな所に来たのか、
話は昨日にさかのぼる。





椅子に座って
ぼーーーっとしていたら
ロクサスに話しかけられた。

ロクサス「ねえ、ソラー!?」
ソラ 「んーー??」
ロクサス「雪って白い??」
ソラ 「うん、白いよ。」
ロクサス「冷たい??」
ソラ 「そうだね。
   ロクサスは雪見たこと
   ないんだっけ??」
ロクサス「まぁ…」
ソラ 「だからこうやって
   聞いてるんだー。
   素直に[雪って何??]って
   聞けばいいのに。

   ろっきゅんは
   可愛いねーー」

俺は栗色の髪を
わしゃわしゃとなでる。

ロクサス「………ッッ!!
   なにするんだよ!!」

ソラ 「耳まで真っ赤ー。
   照れてるんだ。」

ロクサス「照れてないからッ!!」


そう言いながらもロクサスは
俺の手を払いのけない。



あ、いいこと思いついた!!

ソラ 「明日休暇だから
   見に行こう!!」

ロクサス「え!?本当!?」

ソラ 「とりあえず
   楽しみにしてて!!


こうして雪を見に行くことに
なった。









ソラ 「雪だるまを作ろっか!?」

ロクサス「何それ??」

ソラ 「まぁ見ててよ!!」
ソラは雪を丸めていった。

ロクサス「じゃあ俺も作ろう。」
見ていてだいたいの
作り方がわかって
ロクサスも作り始めた。








―数時間―

ロクサス「つ…疲れた…。」

ソラ 「あと少しだから!!
   それこっちに持ってきて。」

ロクサス「えーー

   …はい。」


ソラはロクサスから大きな雪玉を
受け取ってもうひとつのと
くっつけた。


大きな雪だるまができた。



ソラ 「じゃあこれに顔描くけど
   俺はロクサスを描くから
   ロクサスは俺を描いて。」

ロクサス「え??
   だってこれひとつしか…」

ソラ 「だって俺たちは
   2人で1人だから。」


ロクサスは思いもよらない答えに
顔を真っ赤にした。


ソラ 「まぁそういう事だから
   一方にロクサス、反対側に
   俺を描こうよ。」

ロクサス「そうする。」


それから2人で
雪だるまに顔を描いた。



ロクサス「完成…??」

ソラ 「うん。これでOK!!」




やっと終わった、と
ロクサスは座る。

ソラ 「寒い??」

ロクサス「え!?少しは…」

ソラ 「じゃあこうしよっか。」


ソラはロクサスを後ろから
抱きしめた。
2人の重なっている部分から
ぬくもりが広がっていく。

ロクサス「わぁッッ
   別にいいよ。」


ロクサスはソラの腕を
どけようとしたが、
ソラはロクサスをしっかり
抱きしめていて
動かない。




ロクサスは大人しく
抱きしめられたままで
いることにした。





…さっき雪だるまは
いつも一緒でいいな、と
思ったけどあれはお互いが
違う方向を向いているから
抱きしめ合えないな。

…やっぱりこっちの方がいい。









ロクサスは後ろを向いて
抱きしめ返した。




fin.
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