Novel

□暗黒迷宮
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あの人はよく僕の前に現れる。

その人の名は新宿の情報屋である折原臨也。

初めて会ったときはビクビクしていたし、正臣から注意しろと言われていたから関わらない方がいいのに、あの人は僕の前に現れた。だから、あんな感情を抱いてしまったんだ。気付いちゃいけないのに…決して抱いてはいけないのに……。

僕は気付いてしまった。





臨也さんが、好き。





あの人には、知れてはいけない。



僕の本当の気持ち




いつの間にか僕は黒いあの人を目で追っていた。

彼は人間が好きだという。愛してるという。その感情が僕個人へとベクトルが向くことはない。
だって僕も人間という中の一人で、彼にとって捨て駒に過ぎないのだから。


そんな彼が僕に向かって言う、

「愛してる」



止めてよ……
僕に言ってる訳じゃないくせに。
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