Novel

□貴方には、何故か…
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「監禁したいくらい、大好き」



方には、何故か…



何故僕の隣にこの人がいるのだろう。そしてこの状況は何なのだろうか…。自分でもわからない。


誰もいない公園で片手のアイスを食べつつ、自分の真後ろにいる人の独り言を聞き流していた帝人。現在進行形で抱き付かれている情報屋こと折原臨也は相変わらずニコニコと訳の分からない事を呟いていた。

「やっぱり監禁するには、首輪と手錠がお決まりのパターンかな?帝人君はどう思う?」
「関係ないし、知りません。」
「関係ならあるよ?」
「そんな物騒な言葉と僕に何の関係があるんですか。僕を監禁したいなんて言ったら殴りますよ?」
「えー!何で殴るの!?恋人なんだから独占したいと思うのは当然だよっ!」
「何時から恋人になったのか僕には記憶にないんですけど。妄想も大概にしてください」
「今日も相変わらずツンデレだね帝人君。可愛いっ」

冷たい帝人の態度にクスクス笑いながら顔を帝人の方に埋める。その体勢だと丁度臨也の髪が首に当たって帝人は思わず身をビクつかせると、その反応に気分を良くしたのかよくわからないが、また臨也は言葉を吐き出す。



「このあと暇?」
「………え…暇、ですけど」
「本当!偶然だね、俺も暇なんだよ?」
「……?」
「デートしよ?帝人君」
「は?」

それはデートのお誘いだった。
毎度の事なんだけど、男同士でデートなんかして楽しいのかな。前に一度聞いてみたことがあったが「帝人君だからだよ」と簡単に返されてしまったっけ…。



「……どうせ断わっても駄目なんでしょ?」
「んー…どうかなぁ?」
「…はぁ、分かりました。でもデートじゃなくて買い物ですから」「やった!帝人君とデートなんて久し振りだね」
「…聞いてました?てか、何どさくさに紛れて手握ってんですか」
「え?手が寂しいと思ったら偶然にも君の手があったから、つい」
「手が寂しいならもう片方の自分の手でも握ってればいいでしょ」
「嫌。帝人君の手がいい」
「はぁ、子供みたいですよ?臨也さんて本当に社会人なのか疑いますよ」
「帝人君限定だから」
「嬉しくないです」

こうして帝人と凄く機嫌のいい臨也は池袋の街へと歩き始めた。


「さぁ、行こうか。帝人君!」
「はいはい」



今日もまた、この人に流される。
どうして僕は断れないのかな?

わからないけど、
何故か僕は貴方に流されてしまうんです

END.

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