12/09の日記

18:41
癒しが欲しい故に(SS)
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「なあ、リオン。俺もう疲れた…」
「知るか。勝手に部屋に入ってくるな」
「いつものことだろ?」

言いながらリオンの前を通り過ぎ、ぼふりとソファに身を沈める。

疲れた。なんか知らんが疲れた。
心底癒しが欲しい気分だ。
…じゃないと、堕ちそうで。

「リオンー」
「……なんだ」
「あのさ、癒してくれない?」
「っば、馬鹿なことを言うな!」

読んでいた本を勢いよく閉じ、少し顔を赤くしながら言葉を返してくるリオン。
うん、そこらの女子顔負けに可愛い。

「手ぇ繋いでくれるだけでいいからさ」
「なぜ僕がそんなことをしなければならない!」
「えー?減るもんじゃないし、いいだろ?」
「よくない!確実に僕の時間が減る!」

まあ、そういわれると確かに減るけども。

ふい、と顔を背けるリオンに少し苦笑。

やっぱダメ、かな。普通に考えてダメだよな。
まったく、なに言ってんだろ。

「…そうだな。ごめん、リオン。今の忘れて」
「レン…?」
「勝手に邪魔して悪かったよ、もう戻るから」

怪訝そうな表情のリオンから視線を外して、身を沈めているソファから起き上がった。
そのままドアの方へ向かう。

「お休み、リオン」
「……待て」

ノブを捻って出て行こうとした瞬間、掛けられた声。

はやく、でないといけない。黒いのに堕ちてしまう前に。

それでも無視することはできないから、声だけを返した。

「…なに?」
「…こっちに来い」

言われた言葉の意味がわからなくて、頭の中で反芻してやっと理解した。
だけど、動くことができなくて。

そのままノブに手をかけたままで沈黙していると、後ろから舌打ちが聞こえた。
カタリという音。
不意に手に温かいものを感じて、ハッとした。

…どうして。

後ろを振り向くと、少し頬を赤らめたリオンの姿。

「リオン…?」
「気が変わった。少しの間ならこうしててやる」

ふい、と目を戻せば、重なりあった手が見えた。
重ねられた手にもう片方の手を乗せて、軽くキュッと握りしめる。

…ああ、あたたかい。

自然と笑顔になっていくのがわかった。
気がつけば、さっきまで呑まれそうになっていた黒い感情も消えている。

「ありがと、リオン」
「…ふん」

この手が、この温もりがある限り、俺は大丈夫。






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なあんて!長編(予定の)夢主もってきてみた!(おまw)
仕事で疲れると心底人肌と坊ちゃんが恋しくなります。本当、癒してほしい\(^p^)/
しかしうちの坊ちゃんは本当にデレ率高いな。
どうすればツンデレな坊ちゃんが書けるんだ可笑しいだろコレ基本的にィイ!!
…あ、ソーディアンたち普通に忘れてたw
SSでは出てくる可能性かなり低いだろうな、シャルとウィルは…(笑)
まあ、そのうちね?気が向いたらね?←



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