夢執事
□第9話
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「死体…ねぇ…」
「どうしますか、主」
ユナリスは本を読みながらユウヤの話しを聞いていた
「まぁ、シエルがなんとかするから大丈夫だよ」
「畏まりました」
ユウヤは部屋から出て行った
「で、君はどう思う?」
「そう…ですね……アンジェラのこともありますし、下手にこちらが動かない方がよろしいかと」
「……そうだね」
ユナリスは本を閉じ、目を閉じた
「シエルが捕まったか」
「どうしますか?」
ユウヤからの報告にユナリスは静かに聞いていた
「シエルのことどう思う」
「………」
「嵌められた可能性が高いですね」
「シエルだからね」
「ユナリス様」
ユナリスがふざけて言うと、フィンは苦笑いしながらユナリスの名前を呼んだ
「ユウヤ、シェリーと共にファントムハイヴの屋敷に至急向かって」
「………」
「きっとシエルの使用人達は危険な目に遭うと思う…シエルのことだから彼らも何かしら出来ると思うけど、念には念をね」
「………」
ユウヤは静かに去っていった
「フィン、僕は狼をやめようと思う」
「何故ですか?」
「これは憶測だけど、アンジェラと女王陛下は何かしらの接点がある気がする」
「……確信していないのによろしいのですか?」
「いいよ……きっと女王の番犬なんていないほうがいいんだよ……それに、僕たちは女王の名がなくても経営はうまくいってるし」
ユナリスは伸びをすると窓枠に腰掛けた
「そうですか、私はユナリス様……ユナリスが良いと思ったことに賛成するわ」
フィンは優しく微笑むと、天使の姿へと変えた
「天使様の加護だね」