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□敬え!老人の日
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スクアーロはザンザスに奇異の念を抱いた。いつも暴力(むしろDV)しかプレゼントしてくれなかった上司(というか恋人)に、突然"何が欲しい"と質問されたからだ。
「きょ、今日なのかぁ?」
「ああ、今日じゃなければ駄目だ」
「…」
スクアーロは暫く黙る。始めはうたぐっていた彼だが、あのザンザスが自分に何かくれると言うのだ。百年に一度…いや、千年に一度あるかないかの爆弾発言だと思われる。
そういう考えに行き着いたスクアーロは、歓喜のあまり僅かに唇を震わせながらこう言った。
「オ、オレはお前が側に居てくれれば何も要らねぇぜぇ」
「…カス!」
「おう」
「…」
「…」
「…」
「?」
「何言ってんだこのドカスが」
「!?」
スクアーロは目を見開いた。これから想像される甘いムードを、誰でもない、ザンザスによってぶち壊しにされたからだ。
「はぁ…やはりカスは最後までカスだな。いい案を期待したオレが馬鹿だった」
「う"お"ぉい、ボス…何の話だぁ?話の先が見えねぇよ。明日も見えねぇよ」
「うるせぇよドカスが。お前じゃ役に立たねぇ…他をあたる」
そう苦々しく言うと、ザンザスは頭に疑問符を浮かべるスクアーロを無視して部屋を後にした。
「だから何の話!?」
その日、ジャッポーネでいうところの敬老の日であったわけだが、結局、ザンザスが九代目に贈り物をする事はなかった。
H19/9/20(木)ツブテ