『銀河鉄道の夜』は、宮沢賢治の童話作品。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語。
漁から戻らない父のことでクラスメイトにからかわれ、朝夕の仕事のせいで遊びにも勉強にも身が入らない少年ジョバンニは、周りから疎外され、あたかも幽霊のような存在。星祭りの夜、居場所を失い、孤独をかみしめながら登った天気輪の丘で、銀河鉄道に乗り込み、親友カムパネルラと銀河めぐりの旅をしばし楽しむことに…。
「ジョバンニ」
孤独で空想好きな少年。歳は授業内容や仕事から思春期前とわかる。家は貧しく、母親が病気で寝込んでいるので、早朝には新聞配達、学校が終わってからは活版所でアルバイトをしている。父親は長らく家に帰っていない。
「カムパネルラ」
ジョバンニの同級生で友達、父親同士も親友だった。裕福で人気者の優等生として描かれている。彼の母親は石炭袋にいたことから亡くなっていると推察される。しかしジョバンニの「何もひどいことない」という言葉から健在な母親もいるのではないかという見方もあり、一見幸福そうなカムパネルラの複雑な生い立ちが覗ける。
■スタッフよりおススメの一言
何がしあわせかわからないです。
本当にどんなに辛いことでも、
それが正しい道を進む中の出来事なら
峠の上りも下りもみんな
本当の幸せに近づく一足づつですから
賢治の死後、草稿の形で遺されていた本作品。
名前は聞いたことはあっても読んだことがないという方、結構います。
親友のジョバンニとカムパネルラ、二人の旅は何を意味しているのか。それを是非確認してみてください。(デストロ)